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新型コロナウィルス感染症緊急経済対策における税制上の措置について(2)

ここでは、前回に引き続き、主に設備投資や固定資産に関する措置について述べさせていただきます。

4 テレワーク等のための設備投資に係る中小企業経営強化税制

(1) 中小企業経営強化税制の概要

従来から中小企業や個人事業主の方々に設備投資をしていただいて、経営基盤を強化していただくことを目的とした、「中小企業経営強化税制」という優遇税制があります。
中小企業経営強化税制は、経済産業省に事前に「経営力向上計画」の認定を受けて、その計画に基づいた一定の設備投資をしていただくと、その設備投資額について、即時償却(全額減価償却費として経費にする方法です)か、7%(資本金3,000万円以下の法人や個人事業主などについては10%)の税額控除を受けることができる制度です。

(2) 拡充の内容

従来は下記のような「A類型」「B類型」に該当する一定の設備が対象でした。

「A類型」:生産性向上設備 次の2つの要件について工業会等からの証明を受けた設備
 ① 一定期間内に販売されたモデル
 ② 経営力の向上に資するものの指数(生産効率など)が旧モデルと比して年平均1%以上
   向上しているモデル

「B類型」:収益力強化設備 次の要件について経済産業局からの確認書を取得した設備
 年平均の利益率が5%以上となることが見込まれることにつき、経済産業局の確認を受けた
 投資 計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備

今回、これらに加えて、新たに「C類型」が対象となりました。
「C類型」:デジタル化設備 次の要件について経済産業局からの確認書を取得した設備
 事業プロセスの ① 遠隔操作② 可視化③ 自動制御化のいずれかを可能にする設備とし
 て、経済産業局の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不
 可欠な設備

この ① 遠隔操作 に関する説明の中に、「事業に従事する者が、通常行っている業務を、通常出勤している場所以外の場所で行うことができるようにすること」というように、テレワークが例示されています。

(3) 手続き上の注意

中小企業経営強化税制のC類型について適用を受けるには、
 ① 投資計画を作成し、申請書について認定経営革新等支援機関からの事前確認を受けていた
   だきます。
 ② 認定経営革新等支援機関は「事前確認書」を発行します。
 ③ 申請書に事前確認書を添付して、経済産業局に申請します。
 ④ 経済産業局の確認書の発行を受けたら、経営力向上計画を作成して業種ごとの担当省庁に
   申請します。
 ⑤ 担当省庁からの計画認定を受けたら設備を取得します。

このように、事前に投資計画及び経営力向上計画を作成して、経済産業局及び担当省庁の認定を受けていただくことが必要になります。

また、設備の種類ごとに取得価額の要件などが異なりますので、適用には充分ご注意ください。

 

5 生産性革命の実現に向けた固定資産税の特例措置の拡充・延長

(1) 特例措置の概要

生産性向上特別措置法の規定により、市町村が作成した「導入促進基本計画」に基づき、「先端設備等導入計画」の認定を受けた下記の設備投資につきましては、固定資産税が減免される制度です。(特例率はゼロ以上2分の1以下で、市町村の条例で定める割合)
旧モデル比で生産性が年平均1%以上向上する一定の機械及び装置、器具及び備品、工具、建物附属設備

つまり、一定の設備投資については、平成30年度から令和2年度までの分の固定資産税(償却資産税)が最大ゼロになる、という制度です。

(2) 拡充・延長の内容

① 対象となる資産に、下記の要件を満たす事業用家屋と構築物が追加されました。
 ・事業用家屋は上記の導入計画の対象となる先端設備等(取得価額の合計額が300万円以
  上)とともに導入されたもの
 ・構築物は旧モデル比で生産性が年平均1%以上向上する一定のもの
 ・事業用家屋・構築物ともに、上記の導入計画の認定を受けることが必要です。

② 対象期間が令和4年度までの2年間延長されました。
 なお、先端設備等導入計画についても、事前に認定経営革新等支援機関の確認を受ける必要
 があり、固定資産税の減免を受けるには、工業会等の証明書が必要です。
 また、市町村の計画認定の後でないと設備投資をしても固定資産税の減免が受けられません
 のでご注意ください。

 

6 中小企業者等が所有する償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の軽減措置

 (1) 概要

この制度は、新型コロナウィルスの影響を受けて、令和2年2月から10月までのうち、継続した任意の3ヶ月間の売上高が、前年の同期間と比べて減少した中小企業者等が対象です。
令和3年度の償却資産と事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税について、下記の割合に軽減されます。
売上高の減少幅が30%以上50%未満の場合 2分の1
売上高の減少幅が50%以上の場合      ゼロ

 (2) 注意点

この制度の適用を受けるには、令和3年1月31日までに、認定経営革新等支援機関の認定を受けて、各市町村に申告することが必要です。