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広大地の評価方法の変更

1.初めに

  亡くなられた方の相続税の計算上、土地の評価額はしばしば大きな割合を占めます。
 特に、面積の大きな宅地をお持ちの場合、その評価の方法によっては、納税額が大きく
 変わる可能性があります。面積が大きな宅地の評価 ( いわゆる「広大地の評価」 ) 方法が
 平成30年から大きく変わりました。
  今回は平成29年までの評価方法と平成30年以降の評価方法、その変更による影響について
 簡単に説明させていただきます。

2.平成29年までの評価方法

 下記のような「広大地」の評価額は、次の算式により計算した金額とします。
 
 路線価 ( ※注1 ) × 広大地補正率
 広大地補正率 ( ※注2 ) = 0.6 – 0.05 × ( 広大地の面積 ÷ 1,000㎡ )

   ※注1 倍率地域の場合、標準的な1㎡当たりの価額を路線価とします
   ※注2 広大地の面積は5,000㎡が上限のため、広大地補正率は0.35が下限となります。
      例えば2,000㎡の場合
        0.6 – 0.05 × 2,000㎡ ÷ 1,000㎡ = 0.5

 【広大地】
   その地域における標準的な宅地の面積と比べて、著しく広大な宅地が対象です。
   面積要件は、以下の通りです。( 例外有 )

    

   都市計画法に規定する開発行為を行うとした場合、道路や公園などの公共公益的
   施設用地の負担が必要になるところです。
   大規模工場用地に該当するものや、中高層のマンション用地、大規模店舗の敷地などは
   除きます。

   このように、要件は厳しいですが、該当すれば広大地補正率による評価減が大きいため、
   適用可能かどうか、また、本来適用可能なのに適用しなかった、などで問題になることが
   ありました。

3.平成30年からの評価方法

 これまでの「広大地評価」に代わって、下記のような「地積規模の大きな宅地の評価」に
 変わりました。
 通常の方法で評価した1㎡当たりの価額に、下記の「規模格差補正率」を乗じて計算した価額に
 なり、三大都市圏とそれ以外の地域で、計算式は同一ですが、用いられる係数が異なります。

 

 

 普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区に所在する宅地です。
 三大都市圏では500㎡以上、それ以外の地域では1,000㎡以上の宅地で、下記の ( 1 ) ~ ( 3 ) の
 いずれかに該当するものを除きます。

  (1) 市街化調整区域に所在する宅地
  (2) 工業専用区域に所在する宅地
  (3) 容積率が10分の40(東京都の特別区は10分の30)以上の地域に所在する宅地

 上記の計算式で、三大都市圏以外の地域で、条件を満たす2,000㎡の土地について計算すると、

 

 となります。

4.平成29年までと平成30年からの違い

 これまで説明してきたとおり、平成29年までは路線価に広大地補正率を掛けて計算した
 金額でした。
 一方、平成30年からは通常の評価額に規模格差補正率を掛けて計算した金額になります。
 2と3で、2,000㎡の例 ( 広大地補正率0.5 、規模格差補正率 0.76 ) に示したとおり、
 一般に同じ面積では広大地補正率の方が、数値が小さく、大きく減額できるため有利です。
 ただし、平成30年からの通常の評価額の計算の際には、奥行長大補正率など、路線価から
 評価額を減額できる可能性があります。
 
 財産評価が大きく変更されたため、相続対策にも影響が出る可能性がありますので、ご家族に
 面積の大きい宅地をお持ちのご高齢の方がいらっしゃる場合は、会計事務所などとご検討を
 してはいかがでしょうか。