メニュー

所得控除額の変更②

3 2020年度からの改正点

 (1) 基礎控除、給与所得控除、公的年金等に係る雑所得の控除

   基礎控除額は10万円増加して48万円になりますが、所得の額が2,400万円を超えると減少
   するようになり、2,500万円を超えると0円になります。基礎控除額は38万円で一定です。
    ( 以下の表の通り )

    

   給与所得控除額は2019年までから一律10万円引き下げられました。
   上限額が適用される収入金額も従来の1,000万円から850万円に引き下げられ、その上限額も
   195万円に引き下げられました。 ( 以下の表の通り )

    

   給与所得で年末調整を受けられる方は、基礎控除を受けるために、「給与所得者の基礎控除
   申告書」をこれまでの扶養控除等申告書や配偶者控除等申告書、保険料控除申告書と合わせ
   て提出していただくことが必要になります。
 
 
   公的年金等に係る雑所得の控除額は2019年までから、一律10万円 (※1) が引き下げられ
   ました。
   また、公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合の控除額について上限が設けられ
   ました。 ( 以下の表の通り )

    (※1) 表に記載の通り、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が
        1,000万円を超えて2,000万円以下である場合は20万円、2,000万円を超える場合
        は30万円引き下げられます。

   イ) 65歳未満の方の場合
    
 
 

   ロ) 65歳以上の方の場合
    
 
 
   更に、給与所得と公的年金等に係る雑所得がある方の場合には、給与所得控除と公的年金等
   に係る雑所得の控除の両方で控除額が10万円引き下げられることのないように調整が行われ
   ます。

 (2) 青色申告特別控除額

   ① 65万円の青色申告特別控除
     2019年度までの要件に加えて、電子申告か電子帳簿保存を行うと65万円の青色申告特別
     控除を受けることができるように変更されました。

      イ)電子申告
        《ご自身で行う場合》
          マイナンバーカードICカードリーダライタかマイナンバーカードの
          読み取りに対応したスマートフォンをご準備して、確定申告書と青色
          決算書等を国税庁HPから送信していただきます。
        《会計事務所などに依頼する場合》
          会計事務所などが代理で送信を行います。

      ロ)電子帳簿保存
         一定の要件の下で帳簿を電子データのままで保存できる制度です。
         この制度の適用を受けるには、帳簿の備付けを開始する日の3ヶ月前の日までに
         申請書を税務署に提出する必要があります。
         2020年度に限っては、2020年9月29日までに承認申請書を税務署に提出し、
         2020年12月31日までに帳簿の電子データによる備付け及び保存を行うことで
         65万円の青色申告特別控除の対象になります。
         (1)で記載した通り、合計所得金額が2,400万円以下の方は基礎控除額が48万円
         に増加しますので、65万円の青色申告特別控除と合わせて113万円の控除が受
         けられることになり、10万円増加します。

   ② 55万円の青色申告特別控除
     2019年度までの65万円の青色申告特別控除を受ける要件を満たしていて、電子申告や
     電子帳簿保存を行わない場合には、控除額が55万円になります。

   ③ 10万円の青色申告特別控除
     10万円の青色申告特別控除については改正がありませんので、従来通りの帳簿で適用を
     受けていただけます。

 
4 終わりに

  前回の終わりに簡単に触れました通り、基礎控除や給与所得控除や公的年金等に係る雑所得の
  控除といった、多くの方の所得に影響する控除が改正されました。
  それに伴い、2020年1月以降の給与計算から源泉所得税が従来と変わる等の影響があります。
  さらに、年末調整や確定申告での控除額に影響がありますので、ご注意ください。
  また、多くの会計事務所では電子申告に対応していますが、中には未対応の事務所もあります
  ので、電子申告による65万円の青色申告特別控除の適用を受けることをご希望の方はご注意
  ください。

《 おわり 》