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仮想通貨の取引について

1 はじめに

 既にビットコインを始めとする仮想通貨は大きな話題になっています。
 その運用により利益を得ている方もいらっしゃると思いますが、個人で運用すれば所得税、
 会社で運用すれば法人税の対象になります。
 今回、最近国税庁から発表されました「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて」を中心に、
 仮想通貨を運用した際に注意すべきことを簡単に述べさせていただきます。

2 主な取扱い ( 一部抜粋 )

 《 問1 仮想通貨を売却した場合 》
   売却 ( 日本円に換金 ) した場合、利益の額は売却価額と売却した仮想通貨の取得価額との
   差額になります。1個当たりの取得価額は購入した時の総額を購入数で割って求めます。

 《 問2 仮想通貨で商品を購入した場合 》
   商品を購入した場合、仮想通貨を譲渡してその商品を購入したことになります。
   従って、その商品の購入価額 ( 消費税込み ) で仮想通貨を売却したのと同じ取扱いになり
   ますので、購入に使った仮想通貨の個数を基に、問1の売却と同様に計算します。

 《 問3 仮想通貨同士の交換を行った場合 》
   仮想通貨Aを他の仮想通貨Bに交換した場合、仮想通貨Aで仮想通貨Bを購入したことになり
   ますので、問2と同様に計算します。

 《 問4 仮想通貨の取得価額に含める金額 》
   手数料などの付随費用を加算した額になります。なお、消費税の課税事業者で税抜経理を
   行う法人が取得した場合には、仲介手数料に含まれる消費税は除いた金額を加算します。
   仲介手数料税込540円 ( 税率8% ) → 消費税40円を除いた500円が加算されます。

 《 問5 仮想通貨の分裂により仮想通貨を取得した場合 》
   分裂により新たに誕生した仮想通貨を取得した場合、その時点では取得は生じません。
   その新たな仮想通貨を売却又は使用した時点で取得が生じます。
   なお、新たな仮想通貨の取得価額は0円です。

 《 問6 マイニングにより取得した場合 》
   マイニング等により仮想通貨を取得した場合、その時点の取得価額に相当する金額 ( 時価 )
   が所得の計算上、収入金額に算入され、マイニング等に要した費用が必要経費に算入され
   ます。

 《 問7 所得区分 》
   仮想通貨取引により生じた利益は、原則として雑所得に区分されます。
   仮想通貨取引によって生計を立てていることが明らかな場合などは、「仮想通貨取引自体が
   事業と認められる場合」として、事業所得に区分されます。
   また、事業所得者が、事業用資産として仮想通貨を保有し、棚卸資産などの購入の決済手段
   として使用している等の場合は、「仮想通貨取引が事業所得等の基因となる行為に付随した
   ものである場合」に該当し、事業所得に区分されます。
   雑所得は損失が出ても、他の所得と損益通算できません。( 仮想通貨取引で一つの仮想通貨
   が利益で他の仮想通貨が損失の場合、その間の損益通算はできます )

 《 問8 必要経費 》
   取得価額や売却の際に支払った手数料などは必要経費になります。
   この他、インターネットやスマートフォン等の回線利用料、パソコン等の購入費用などに
   ついても、仮想通貨の売却のために「必要な支出であると認められる部分の金額に限り」
   必要経費に算入できます。
   ここで「必要な支出」と記載しましたが、通信費等、家事 ( 個人的な電話やネット利用等 )
   と業務 ( この場合仮想通貨取引 ) の両方に関わりがある、所謂「家事関連費」については、
   業務の遂行に直接必要なことが明らかに区分できる場合に限り、その区分した金額を必要
   経費に算入できます。

 《 問9 年間取引報告書を活用した所得計算 》
   平成30年1月1日以後の国内の仮想通貨交換業者を通じた仮想通貨取引については、仮想通貨
   交換業者から年間取引報告書が送付されます。
   それを基に「仮想通貨の計算書 ( 総平均法用 )」を用いて、所得金額を計算することができ
   ます。( 仮想通貨の計算書は別紙をご参照ください )

   《 別紙:仮想通貨の計算書 》

 《 問10 取得価額の計算方法の変更 》
   仮想通貨の取得価額は、「移動平均法」 ( 購入した時点ごとに取得価額を計算し直す ) で
   計算するのが前提ですが、継続して適用することを要件に「総平均法」 ( 期中で購入した
   総額を基に取得価額を計算 ) で計算しても差し支えないこととされています。
   従って、取得価額の計算を「移動平均法」から「総平均法」に変更することができます。

 《 問12 仮想通貨の購入価額や売却価額が分からない場合 》
   ■ 国内業者を通じた場合
      問9の年間取引報告書が送付されますので、それをご参照ください。
   ■ 国外業者や個人間取引の場合
      ・購入、売却時の銀行口座の状況から確認する
      ・仮想通貨取引の履歴や業者が公表する取引相場から確認する
     ※なお、個人間取引の場合は、主に利用する業者の取引相場を利用して下さい。

 《 問18 仮想通貨を譲渡した場合の消費税 》
   国内の仮想通貨交換業者を通じた仮想通貨の譲渡には、消費税は課されません。
   また、課税売上割合の計算上、非課税売上高に含めて計算する必要はありません。
   仮想通貨の売買に係る仲介手数料は課税対象になります。
   なお、平成29年6月以前に国内において行った仮想通貨の譲渡は、消費税の課税対象に
   なります。

3 注意点

 仮想通貨を売却した場合に所得が発生するのは皆さんご存じと思いますが、商品に交換した場合
 や別の仮想通貨に交換した場合、マイニング等で取得した場合なども所得が発生することはご存
 じない方もいらっしゃると思います。
 また、取得価額の計算方法や所得区分の取扱い ( 原則雑所得 ) など、注意していただきたい点が
 あります。
 過去にはFX取引で申告もれによって大きな金額の追徴課税を受けたニュースなどがありました。
 仮想通貨取引も大きな注目が集まっており、申告漏れなどのないようにご注意ください。